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福島ハーメルン・プロジェクト ジョイントチームは一時保養・避難を支援します。

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私たちの活動に対するきれぎれの感想(2014年夏キャンプ報告書より)


 私たちが活動する上で、気になる数値があります。2011年の原発事故以来、福島県が公表してきた「福島県民健康調査」の結果です。多くの検査項目のうち、とりわけ気がかりなのは「小児性甲状腺ガンの患者数」です。8月24日の発表によれば、甲状腺ガンおよびその強い疑いがもたれる子どもの数は104人になりました。調査対象は、2011年6月時点で18歳未満だった、福島県内の子どもたち約30万人。過去のデータでは、小児性甲状腺ガンの発症率は、100万人に1〜2人とされていたのに、調査結果を換算すれば、福島では100万人に300人を超える子どもがガンになった計算です。この異常な数値に対して、福島県も国も「放射能による影響とは考えにくい」と、責任回避の発言を繰り返しています。

 県や国の放射能の影響の否定は、チェルノブイリでの甲状腺ガン患者数との比較に基づいています。チェルノブイリの発症数は以下の通りです。

 1年目 4人  2年目 3人  3年目 5人  4年目 15人  5年目 47人

 福島での患者数は、事故後わずか3年で、チェルノブイリの5年目の水準をはるかに超えています。だから影響は考えにくいと結論づけたのでしょう。それではこの爆発的な増加の原因は何なのでしょう?すでに57人の子どもが手術まで受けているのですから、放射能でなければ何なのか、真の原因を見つけだし異常事態を終息させなければならないはずです。しかし原因の究明は放置されたまま、放射能の影響を否定することに終始しています。

 チェルノブイリと比較しなくても、放射能の影響で小児性甲状腺ガンが増えたと推測できるデータがあります。皆さまは、テレビや新聞、ネット上で報じられた「放射性ヨウ素汚染地図」を覚えておられるでしょう。原発事故現場に立ち、山形県と宮城県の県境めがけて投網を打ったように広がり、赤がもっともヨウ素の飛散が多かった地域、黄がその次で、緑、青・・・と色分けされた地図です。他方、甲状腺ガンの発症数を、地域ごとにまとめ直したデータもあります。やや古い(昨年の12月31日)、まだガンおよびその疑いが74人のときの調査結果ですが以下に示します。川内村・・・275人に1人 大玉村・・・679人に1人 川俣町・・・1118人に1人 浪江町・・・1611人に1人。これを上記の汚染地図に重ねると、見事にヨウ素汚染地域と患者数の相関関係が見えてきます。ヨウ素に強く汚染されたところほど、甲状腺ガン発症の割合が高い。つまり放射能の影響で甲状腺ガンになった、と推測できないでしょうか。それにしても275人に1人のガンが見つかったとは、猛烈な数字ですね。

 私たちのキャンプへの参加者の多くは、「帰還困難区域」や「居住制限区域」以外の、比較的線量の低いと言われる郡山市やいわき市から来ています。それでも郡山市で甲状腺ガンが見つかった子どもは23人(2346人に1人)、いわき市は19人(2513人に1人)にのぼります。このような家族たちが、休みのたびに「被ばくの恐れのない場所」に移動したい気持ちはよくわかります。放射能の影響は「甲状腺ガン」ばかりでなく、内部被ばくによるさらに深刻な病気にもおよぶからです。しかしながら、安全宣言を信じず、私的にキャンプに参加したということで、国や自治体からの参加者への支援や補助は皆無です。国・自治体がやらないなら市民が手を差し伸べるしかありません。安全基準への評価は違っていても、104人の子どもが小児性甲状腺ガンを発症し、多くの福島県民が、年間1ミリシーベルトを越す高い線量の中での生活を余儀なくされていることは事実です。このような事態を何とかしたい。そのような思いで、私たちは活動を続けています。
 今回の報告書では、被災者の気持ちをよりよく知っていただくために、ある裁判の「意見陳述書」を掲載しました。筆者は、いわき市から避難し、ジョイントチームのイベントに積極的に参加している二児の母です。本文は、2014年2月25日、国と東電を相手に起こされた「福島第一原子力発電所事故による損害賠償請求訴訟」の冒頭で彼女が訴えたものです。この裁判は、原告である国と東電による賠償を求めていますが、そのためには避けて通れない、事故の原因と責任、事故処理における過失の有無、原発に依存する社会の是非などを問うていることもあり、私たちは彼女の訴訟を支援しています。どうかお読みいただき、福島の実情を感じとってください。

 報告書のハイライトは、今回も子どもたちのはじける笑顔の写真です。雨に降り込められた5日間でしたが、子どもの笑顔が絶えることはありませんでした。私たちは、福島の子どもたちを「かわいそうな子」という目で見たくありません。どの子も、明るく元気で、被ばくを跳ね返そうと懸命に生きています。彼らはただいっとき、夢を見る自由を奪われているだけです。今夏は、子どもたちの自主性、能動性、心と体の躍動と飛躍を求め、ダンスレッスンを取り入れました。その写真もじっくりごらんください。この様子は動画でも撮りました。「凪」というオリジナルダンスミュージックで、踊っていただける個人・団体の皆さまいらっしゃいませんか?私たちのダンスと皆さまのダンス映像に、「福島の子どもたちは負けない」というメッセージをつけ、YouTubeにアップする計画です。ご協力いただける皆さまぜひ連絡ください。よろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、今年の夏も、1人の病人もけが人も出すことなく、キャンプが無事に終了できたことをご報告いたします。
 来年に向かって、これからも活動を続けていきます。引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(代表 木田 拓雄) 

*報告書をご希望の方は、 ジョイントチーム本部(TEL 090-1678-0609 e-mail:joint@hamelnjoint.com)お問い合わせください。

   

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代表:木田 拓雄
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