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福島ハーメルン・プロジェクト ジョイントチームは一時保養・避難を支援します。

活動報告report


【2012バックナンバー】


福島現地Report −福島の今を知る−

2013 福島リポート 文・写真/赤間 美沙子 編集/事務局 北岡 響

  福島から今年の1月に母子で西宮市に避難してきた赤間さんから福島に関するリポートをいただいた。赤間さん家族は、昨年まで福島市内で生活をしていました。3.11福島原発事故後、各地で保養キャンプがおこなわれる中、昨年(2012年)、ジョイントチームの夏保養キャンプに参加され、その後も親交を深めていく中、今年の1月に西宮市に避難されることを決め、母子で避難されました。お父さんは、仕事の関係上、福島に残り仕事をされていますが、定期的に関西に来て、家族団欒ですごされています。
 赤間さんは、関西に来てから、家事・育児におわれるなか、ジョイントチームのチャリティー活動などにも積極的に参加されているほか、西宮近郊に避難されている方々と交流を深め、様々な活動をされています。今回、赤間さんから春・夏に一時的に福島に戻られたときの様子などを記したリポートを紹介したいと思います。

福島市内、屋内遊技場

 震災後、思い切り外遊びが出来ない福島の子ども達の為に、各地に屋内遊技場がオープンした。
 中には、室内で出来る砂遊び場を完備してる所もある。
 写真はスポーツゼビオが企画運営しているキッズパーク。

 しかしどうしても室内なので、病原菌の蔓延防止、衛生管理の徹底、混んでいる時は利用出来ない、など思い通りにいかない場合もある。














 避難する前に娘が通っていた、福島市内の幼稚園。
 園庭の真ん中に設置してあるのは、空間線量モニタリングポスト。
 福島市内の学校、幼稚園、公園には必ず設置してある。
 緑あふれる幼稚園だったが、草木があることで線量があがるということで、花壇や枝木はすべて伐採し、なんとなく殺伐とした風景になってしまった。ここで毎日、木登りをしたり、ドロ遊びをしていた頃が懐かしい。




 福島市内の学校給食に、福島市産の米を使うことに不安を訴える保護者に対して、教育委員会からの回答。福島市産の米は全袋検査をして、不検出の米しか流通させてないという。食品の汚染測定を少しでもみたことがある人なら、ベルトコンベアで流れて行く米を袋ごと数分間だけ検査する米の検査体制をみたら、驚くだろう。
 市民測定所で検査する場合、1キロを容器に入れ、1時間、より詳しく調べたい時は半日ほどかけてセシウムが検出されるか検査する。
 微量であるほど、検査時間に時間がかかる。
 福島市の学校給食の基準値は10ベクレル以下。
 外部被曝だけで年間1ミリシーベルトを超える福島市の給食の基準が、これでいいのだろうか。


 福島の子どもたちが身に付ける、積算線量計。
 通称、ガラスバッヂ。
 日常生活を送る際に、実際にどれくらいの外部被曝をしているか調べるもの。
 今までに3回配布された。
 3ヶ月ほど、首から下げて生活し、どれくらい被曝したか、通知される。
 子どもがみんなこんなものを首から下げているのを他県の人がみたら、ギョッとするのではないだろうか。福島ではそれが日常になっていて、違和感を覚えなくなってしまった。
 前双葉町長、井戸川さんの言葉を借りれば、測っているから、安心ではない。線量計をつけたり、マスクをさせて、生活させることこそが虐待。学校給食を毎回検査してるから日本一安全だ、と言われ、その言葉を鵜呑みにしていた。本当に安全なら、本来は測る必要などないはずだ。







 
*2013 3月撮影                    *2013 8月撮影

形は違うけど、同じ会社の性能が同じ線量計。
写真(左)は今年の3月に撮影、写真(右)は8月に撮影。
やはり、雨水が染み込み、除染しても元に戻るということか・・・。


 
側溝付近はやはり、線量が高い。
町内清掃なども、1年目はどぶさらいは禁止されていたが、2年目からは市民自らやるように奨励されていた。右上は芝を張り替えた公園。張り替えるマスク前は3マイクロシーベルトほどあったが、0.2マイクロシーベルトまで下がった。今では、たくさんの子ども達や、犬の散歩の人達で賑わう。



 

写真(左)、自宅ウッドデッキ上。木などは染み込み、表面を削らないと線量は下がらない。
写真(右)、水は放射線を遮蔽するというので、壁際に水の入ったペットボトルを並べる。
少しは効果あるかな・・・・・。


 赤間さんのリポートを読んでいくと、3.11以降、放射能に対する状況は変わっておらず、対症療法的なな除染・計測でしか対応できていない現実がある。そして、赤間さんのリポートにもあるように“放射線量を測る”という行為自体が非日常であることを示している。こういった状況に対して、国は明確な方向性、未来を3年近く経過するなか、示すことができていない。
 時間が過ぎていくなか、私たち大人は未来を担う子どもたちに対して“世代間責任”として何ができるのかを今、問われている。(2013.10.26)





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